隠れた台湾のパワースポット!


台湾には、森でトレッキング、急流な滝、壮大な寺院、素晴らしい景色など、瞑想に適す人里離れたスピリチュアルスポットがたくさんあります。もし、あなたがスピリチュアルなことに興味があるのなら、まだあまり知られていない場所をお薦めしようと思います。

カナダのバンクーバー島とほぼ同じ大きさのこの亜熱帯の国は、世界で最も人口密度が高く、スクーターがひしめく道路、ハイテク産業などで知られています。しかし、意外と知られていないこともあります。

世界のどの島よりも高い山々を持ち、多くの寺院があり、地元の人々はとても親切で、アドベンチャースポーツや素晴らしい食事があり、日本に次いで世界で2番目に安全な国と評価されているのです。台湾の宗教は、中国から伝わった仏教、道教、儒教に、現地の民間信仰や原住民の習慣が加わり、実に多様です。

毛沢東の文化大革命で滅びかけた中国の宗教が台湾では未だ盛んであり、中国で迫害された宗派が台湾に残ります。

台湾に移住して8年、人類学とアジア宗教学を専攻した私にとって、台湾で目につくのは、人工的なものであれ、人里離れた美しい自然であれ、宗教的なもの、あるいは精神的な思索を促すような光景です。今回はそんな台湾の人里離れたスピリチュアルスポットを紹介したいと思います。

 

佛光山佛陀記念館

Image credit:Howard Blount and Nick Kembel

佛光山は仏教の教団であると同時に慈善団体でもあり、台湾南部の高雄にある本部には巨大な佛陀記念館があります。
2011年に100ヘクタールの敷地を増設し、108メートルの大仏坐像も建立されました。佛陀記念館では外国人向けの瞑想コースがあるほか、寺院内のホテルで一泊することもできます。宿泊しても厳しい修道院の規則はないのでご安心ください。
宿泊は近代的なホテルのようで、ベジタリアン用の朝食もついており(ただしかなり早い時間に提供される)、台湾で最もスピリチュアルな場所の一つである境内を自由に歩き回ることができる。
夕方になると参拝客は皆帰ってしまうので、複数の祈祷殿、手入れの行き届いた庭園、巨大な像、地下の祠など、境内の大半を独り占めすることができます。
また、僧侶や尼僧が祈りや日々の雑務をこなしている様子を観察することもできます。私が夕食を食べていると、何年もそこに住む英語を話す西洋人僧侶を連れてきてくれ、佛陀記念館や仏教一般についての質問に答えてくれました。

修道院で少し奇妙に感じたのは、仏教の非物質的な哲学と矛盾するような、華麗な像や装飾品、金メッキの装飾品、巨大な仏像の数が非常に多いことです。
また、この寺院の新しい区画には、寺院内の参拝者用にセブンイレブンが入っています。他の地域では、これは冒涜的に思えるかもしれないが、台湾ではあまり気にしないようです。

 

獅頭山

Image credit:Howard Blount and Nick Kembel

佛光山のような過剰な演出はなく、より自然に近い体験ができるのが、台湾北部の新竹市にある獅頭山です。
ここには一つの修道院だけでなく、森林の斜面にたくさんの精巧な寺院が建築された集合体です。それらを結ぶハイキングコースが網の目のように張り巡らされ散策ができます。

いくつかの寺院は、砂岩の洞窟の中に建てられています。獅山は高い山というより大きな丘なので、ハイキングコースには最適です。寺院の一つである泉華堂では、ホテルスタイルの部屋と精進料理を提供しています。
一日中ハイキングと寺院巡りをした後、部屋から丘の上に沈む夕日を楽しみ、最後の太陽の光で寺院の壁が色づくのを眺め、夜は窓の外の森で虫の声を聞きながら完全に一人になれる時間を過ごしました。
朝のハイキングコースにも人がいなかったので、台湾で最もスピリチュアルな場所を独り占めできました。

 

三貂嶺瀑布群

Image credit:Howard Blount and Nick Kembel

この息を呑むような滝に初めて見たとき、私はとても感動し、それ以来十数回も訪れています。台北市内から電車で1時間、簡単なハイキングで訪問できる近い場所なのに、なぜ三貂嶺瀑布群の人気が高まらないのか不思議なくらいです。

週末でも、台湾で最もスピリチュアルなスポットを独り占めできるかもしれません。何がそんなに特別なのか?滝の裏側にある洞窟に座り、滝の水がはるか下にある岩の池に流れ落ちるのを眺めながら、目の前にはジャングルに覆われた山の斜面のパノラマが広がっているのです。

この場所は瞑想に適しており、またカップルのためのロマンチックなビューポイントにもなります。ただし、岩は滑りやすいので注意が必要です。この滝は、トレッキングコースにあるいくつかある滝のうちのひとつで、ロープで支えられた急な垂直のはしごを登り、頂上の淵から覗き込むことができるような素晴らしい滝もあります。

 

阿里山国家風景区と瑞太竹林

Image credit:Howard Blount and Nick Kembel

阿里山は台湾で最も人気のある観光地のひとつです。
特にアジアからの観光客は、雲海から昇る朝日、霧に包まれた古代ヒノキの森、世界的に有名な高山烏龍茶に魅了されています。そのため、観光地の主な遊歩道はツアー客で混雑しています。しかし、そんな中でもメインコースから外れて、一人静かに壮大な景色を眺める場所も存在するのです。
また、日本の植民地化時代に建設した狭軌の森林鉄道は、現在も運行されており、園内の観光スポットの間を行き来しています。

ホテルから梅園を抜けて展望台まで約45分、懐中電灯さえあれば日の出前でもハイキングができます。日の出を見る観光客向けのメイン展望台から数百メートル離れたところに、数百人を収容できるよう設計された古い展望台があります。
荒廃していますが、私はここで谷間に渦巻く雲海を見ながら、台湾最高峰からの素晴らしい日の出を一人で楽しむことができました。

Image credit:Howard Blount and Nick Kembel

また、阿里山には「瑞太古道」という、竹林の中を歩くハイキングコースがありますが、ここを知る人はほとんどいません。
「瑞太古道」はお茶の産地である小さな村から始まり、阿里山へ向かう鉄道駅の奮起湖まで、約4時間かけて歩けるコースです。

土曜日にもかかわらず、私が歩いたときもほんの一握りの人しか見かけませんでした。竹でできた高い柱が風に揺られると、ギシギシと美しい音がする。
この音は本当に催眠術のようで、瞑想が好きな人はこのトレッキングを気に入ることでしょう。日が暮れたら、ホタルも見られますよ。

 

銀河洞越嶺歩道と滝

Image credit:Howard Blount and Nick Kembel

台湾のスピリチュアルスポットの最後のお勧めは、世界で最も人口密度の高い都市の一つである台北市内にあるものです。MRTの台北動物園駅から底がガラス張りのゴンドラに乗って、茶の産地である茂猴に向かいます。
茶室や茶畑を見ながら30分ほど歩くと、銀河洞と滝に到着します。苔むした石段を下りていくと、もうすぐそこです。

銀河洞は、崖の壁に建てられた小さな無人の寺院です。つる植物が垂れ下がるところ、小さな階段が神殿の中に入っていきます。
寺院は洞窟の中にある2つの祠からなり、小さな滝の下を通り階段を上ると、道教の像が並んでいます。
台北に住む外国人ハイカーのほとんどがこの場所を知っていますが、あまり人が訪れないのでこのユニークで神秘的なスポットを独り占めできるかもしれません。

 

台湾にはこのようなスピリチュアルな場所が他にもたくさんあります。スピリチュアルな体験を求める旅行者にとって、台湾は理想的な旅先なのです。

Top Image credit:Howard Blount and Nick Kembel
出典:BACKROAD PLANET written by Howard Blount and Nick Kembel