千年続く小さな村の目覚め 中国松陽県


江南とは「川の南」という意味で、中国とアジアで最も長い長江の下流域に、美しい山河に恵まれた優雅で詩情豊かな文化を育んできました。

今回は、中国東部の浙江省にある、”江南最後の秘境 “と呼ばれる古い歴史を持つ県をたどります。都市の喧騒から遠く離れた省南西部に、松陽県はあります。1800年以上の歴史を持つこの県には、100を超える伝統的な村がそのまま残されています。

高層ビルが立ち並ぶ都市化が進む中、松陽県は時が止まったかのような印象を与える旧い街並みで、緑豊かな山々と高くそびえる老木に囲まれ、しばしば霧に包まれる村々には、黄色の土壁と濃い灰色の瓦屋根を特徴とする古代中国式の建物が残されています。

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比較的辺鄙な場所にあるため、のどかな自然が手つかずで残っていますが、同時に地域の経済発展の妨げにもなっています。近年、県内では古民家の改修や民泊の開発など、農村の活性化が進み、ボロボロの家屋が元の外観を保ったまま修繕されたり、電力供給線が整備されたりして、より良い住環境と電力需要の増加が期待されています。

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かつては無名だった辺鄙な村は、自然に親しみ、静かな田舎暮らしに浸りたいという旅行者を受け入れるための目的地に成長しています。

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出典:CGTN