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伝説では、かつてグアタマ・ブッダはダンナバティ(現在のミャンマー北部ラカイン地方)の人々に布教を行ったと言われています。王であるカンドラ・スリヤは、人々の利益のためにブッダの像を残すように要求しました。
ブッダが菩提樹の下で1週間瞑想している間、神々の王であるサッカは、たいへん美しいブッダそっくりの像を作りました。ブッダはこの像を気に入り、五千年もの間、自分の霊的なエッセンスをこの像に吹き込みます。
古代からの言い伝えでは、ブッダの生涯で作られた像は5体だけだと言われています。2体はインドに、2体は極楽浄土に、そして5体目がマハ・ムニ仏です。
考古学者たちは、この像が、釈迦が実際に亡くなってから約600年後のAD146年に即位したチャンドラ・スーリヤ王の時代に鋳造されたのではないかと考えています。
しかしその後1500年にわたるマハ・ムニ仏の旅については、ほとんど知られていません。
この仏像は、様々な王によって盗まれ、移動させられ、ある時は、忘れ去られたジャングルの中の崩れかけた寺院の中に安置されるなどしていました。
1784年、ボダウパヤ王によってマンダレーに運ばれた像は、特別に建てられたパヤギパゴダの中に安置され、それ以来、ビルマで最も崇拝されている仏像となっています。
像の高さは3.8メートル。もともとは金属製でしたが、現在は全体が厚さ2インチの金箔で覆われています。
1日に何千人もの参詣者が訪れ、2月上旬の大祭には数十万人が集まります。その際に多くの金箔がさまざまな人の手により貼られるため、像の輪郭が崩れています。
マハ・ムニの近くにあるパヤギ・パゴダの中庭には、もともとカンボジアのアンコール・ワット寺院に守護神として立っていた、「3頭のライオン、3首のゾウ、2人の戦士」6体のクメール様式のブロンズ像があります。
戦士の像は、奇跡的な治癒力を持つと言われ、戦士像の体の一部をこすると、その部分の病気が治るという言い伝えがあります。
しかし、これらの像が東南アジアの長い旅を経てマハ・ムニ寺院に運ばれてきたときには、癒しの伝説はありませんでした。
なのでこの伝説がいつ、どのように始まったかは分かっていません。
この像の治癒力は、何千人もの巡礼者の意図と信仰によって、長い時間をかけて生み出されたように思えるのは、とても興味深いことです。かつて人々は、長い間忘れられていた何らかの理由で、癒しの祈りを捧げながら像を擦るようになり、このような祈りが、何らかの形で像に力を与え、それが何千もの奇跡的な治癒を引き起こしたと信じられています。
現代の科学者の多くはそのような考えを否定するでしょうが、説明のつかない治癒が実際にあったことは事実です。従来の科学では説明できないから、それが不可能なことだという結論にはならないように思います。
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Top Image credit:Martin Gray
出典:World Pilgrmage Guide